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金融商品取引法はリスク説明などを求めているが、十分とはいえない。

ところが利用の際に聞かれるのは一括ですか、分割ですかだけ。 懐に余裕のない人は分割を選ぴがちだが、そこではかつての消費者金融を努露とさせる金利支払いが待ち受けている。
証券化などでパッケージされた金融商品は、たっぷりと手数料が取られる仕組みになっている。 REITは、不動産売買に伴う往復で6%の手数料のほか、販売手数料、信託報酬などがかかっており、額面100の商品の実質価値は卯程度との見方もある。
投資信託の信託報酬は、世界的に見てもかなり高い水準だ。 銀行などは個人投資家に投信を勧めるが、そこでも高い手数料が吸い上げられる。
とりわけ富裕層業務などで特定個人のために組む取引は、個人のニーズに合わせたきめ細かい金融商品を提供してくれる。 ただ、ニーズに合わせてテーラーメードにすればするほど手数料が高くなり、富裕層はカモ扱いだ。
行政自体が消費者を向いていない場合も少なくない。 例えば上場投資信託(ETF)は有力な投資商品だが、そもそも需給が崩れた株式の受け皿を増やす目的で作られた面がある。

個人の需要に応えるのではなく、個人から資金を巻き上げるのがねらいだ。 1990年代からの金融の規制緩和は、主に金融機関の要望を受けて実施された。
金融機関の自由度をどう高めて、利益を上げさせるかに主眼が置かれた。 多くの金融機関は、米国債取引など、流動性が高く透明な取引は利幅が薄いと敬遠し、個々人の需要に合わせたテーラーメードの方が、非効率な市場で利益が上げやすいと考えた。
価値判断の基準は金融機関が利益を上げられるかどうかで、総合的に見て利用者のためになるかどうかは二の次だった。 消費者の保有する資金をいかに利用するかで、金融市場の活性化や聞の経済発展が左右されるのは事実だ。
しかし、それは消費者から手数料を掠め取ることであってはならない。 自己責任の名目で、業者に巨額の手数料収入をもたらす規制緩和は見直す時期にある。
消費者の保護を徹底したうえで、消費者の富を経済の活性化に回してもらえるような環境作りが欠かせない。 ただ米国では、CFPAに対して、儲けが減る金融界が猛反発している。
議会には金融界のロビー活動を受けた議員から「CFPAはどうか。 金融商品の誕生を妨げかねない」(B共和党下院院内総務)といった声が出ている。
O政権が欲におぼれ倫理観が麻宿押した金融界を目覚めさせられるかどうか、その手腕が問われることになる。 新しい金融システムは、より透明性の高い市場を志向しようとしている。
そのひとつが店頭取引から取引所取引への回帰である。 2009年4月のG7の後、素早く動いたのは米国だった。
G財務長官が、店頭(OTC)デリパティブの規制改革案を打ち出した。 AIG問題で市場改革の必要が強く意識され、規制の緩いOTC市場にメスを入れる考えを示した。

AIGへの公的資金の投入が膨れ上がり、同社が店頭で取引していたCDSを規制できなかった当局への批判が強まったからだ。 問題のCDSについては、決済を監督下にある中央清算機関に集中する方向性を打ち出した。
これによって取引の標準化を進め、市場の透明性を高めると共に、取引相手の倒産リスクを軽減する。 またすべてのデリパテイブのディーラーに対して、保守的な自己資本、取引の報告、ビジネスの基準の設定、証拠金の設定、などを含む規制の導入方針を示した。
CFTCとSECは、標準化された取引を、規制された取引所や電子取引決済システムに誘導する。 規制下にある金融機関に対して、取引所で取引されているデリバティブを使うように促すことも盛り込んだ。
OTCデリパティブについては、透明性を高め、市場操作や詐欺、乱用に使われない体制を構築する。 そのためにOTCデリパティブのトレーダーに、ポジションの記録と報告を求める。
店頭取引は極力標準化した取引を使うように促し、標準化されない取引には高い自己資本を課す。 これによって、実質的にOTCを縮小し取引所に取引を集中する考えだ。
OTC取引と取引所取引は、これまで水面下で激しい取引獲得競争が繰り広げてきた。 もともとデリパティプは、シカゴの先物取引所を中心とした勢力が力を持っていた。
商品取引が中心だったが、金利や通貨の先物なども幅広く扱うようになり、先物やオプションによるリスク回避を定着させた。 これに対しウォール街の大手金融機関は、先物などと同じ経済効果を持つOTCデリパティブ取引に注力し始める。
OTC取引の方が証拠金負担が少ない、規制がないため高いレパレッジを利かせられる、ヘッジのきめ細かな需要に対応できるなどの理由からだ。 OTC取引は急速に拡大し、その取引量は取引所取引をはるかにしのぐようになった。

その取引拡大に一役買ったのが、ウォール街の大手金融機関などデリパティブの業者で構成する国際スワップ・デリパティブズ協会(ISDA)である。 個々の需要に応える取引をすれば、取引に流動性が出ない。
そのためISDAが取引の標準形を決めて、それに則って取引する慣行を作り上げた。 開示などの十分な規制もなく、商慣行は自らの影響力が強いISDAで決めればよかった。
ただ業界の集まりであるISDAは、取引の縮小につながるような規制は打ち出せなかった。 経済全体を考えるという発想に乏しく、会員業者の利益優先になった。
AIGの問題が発覚したあとも、「CDS自体に問題はない。 AIGの問題はリスク管理の問題」として規制の見直しには消極的だった。
これに対して議会にはOTCデリパティプ業界への批判が根強く、厳しい規制をかけるべきだとの声が強い。 焦点になるのは規制の範囲だ。
AIGで直接的に損失が出たのはCDSで、CDSへの規制強化は不可避だ。 取引の8割を占める裏付けのないCDS(ネーキッドCDS)については、禁止も検討されており、膨れ上がったCDS市場の縮小は避けられない。
ただCDSで明らかになったOTCデリパティプの欠陥は、CDSにかぎったことではない。 取引には通貨、金利などのデリパティプもある。

侃年末で信用デリパティプの想定元本残高が認兆ドルなのに対し、金利デリパテイプは403兆ドルにのぼる。 これらの取引は、ISDAが自主規制をしているとはいえ、情報開示は甘く、決済リスクも残る。
基本的にはCDSが抱えていた問題と同根の問題を抱えており、それがCDS以上に巨大化している。 G氏の規制案は、OTC規制案でCDSにかぎるとはしていない。
議会のデリパティプに反対する意見の強さを考えると、金利スワップ取引なども同様の規制対象になる可能性がある。 その場合、既存の大手金融機関の取引に大きな影響が出るのは避けられない。
米下院のF金融委員長が提案した法案では、SECなどが市場安定を脅かすと判断したスワップ取引は、当局が禁止できる権限を持つ内容になっている。 店頭デリパティブへの強い警戒感を浮き彫りにした。
リスク回避の機能に着目したとき、金利スワップを取引所での金利先物やスワップ取引に置き換えることは可能だ。 もちろん取引所では取引日を一日刻みでは調整できず、限月で調整する。

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